2011年4月27日水曜日

通勤途中の風景②「横浜ゲーマー野郎」

2007年当時、始発電車をやめ、普通の東京行きに乗るようになった。そこで登場したのが若いIT会社に勤めているような感じの兄ちゃん。というより若者。彼はいつもオイラと乗る場所がバッティングするので、席も自ずと争うことになる。
いつもPSPを持ちながら列の先頭に並ぶ。そして、乗り込んだあとは、太陽が当たらない席に座って、ずーーーっとゲームをして、んで、横浜で降りていく。
オイラはその兄ちゃんのことを「横浜ゲーマー野郎」と呼ぶことにした。

列の先頭に立つといったが、彼の特徴は、その立ち位置が、右なのか、左なのか、わからない位置なのだ。最後になってわかったのは、彼は、ドアが開く位置に立っていたいということだ。つまり両側に開いて行く、その分かれ目の位置に立っていたいのだ。なぜなら、いち早く車内に入ることができるから。
東海道線の待ち行列は、普通、2列の整列乗車になっている。彼が真ん中に立っているので、彼の次に並ぶ人が、右側に並ぶか、左側に並ぶかで列のでき方がマチマチになる。しかし、彼はそんなことにはお構いなし。次の人が、彼の右側に並んでも、左側に並んでも、かれは一番先に車内に乗り込む。その曖昧な位置は彼の故意によるものなのだ。

ある日のこと、横浜ゲーマー野郎の声を聞くことができた。仕事の関係でトラブルがあったらしく、朝っぱらから、ホームでワーーワーー電話しているのだ。
「あ、はいはいはい。はーーい、そうです。うん、うん、うん、そうです。それでお願いしまーース。え?いやいやいやいや、違います。そのサーバーじゃなくてぇ、、」
とかやっている。相変わらず、列の先頭で、右なのか、左なのか、曖昧な位置で。

そのうち、電車が来て、乗り込むのかなぁ、と思っていたら、やっぱり、トラブルはまだ続いているようで、横浜ゲーマー野郎は電車に乗り込むことはできなかった。
そして、電車が止まり、ドアが開いたのだが、横浜ゲーマー野郎は電話に夢中。立ち位置がドアの真ん中だったので、降りてくる怖ーーい兄ちゃんに「どけ、おらぁぁぁぁ。」みたいなこと言われて、どーーーーんって突き飛ばされてました。かわいそうな横浜ゲーマー野郎のハナシでした。
ちゃんちゃん。

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