2011年7月25日月曜日

がんの練習帳 (新潮新書) [単行本] 中川 恵一 (著) を読んでみた

オイラの好きな偉い人が読んでみた、と、言っていたから、読んでみた。
オイラもガンなんて無縁だと思っているけど、実際は無縁じゃない年頃なんです。

がんの治療法の中で科学的に効果が確認されているのは、①手術、②放射線治療、③化学療法の3つだけ。なんだって。さらに耳寄りな情報。モルヒネなどの医療用麻薬は中毒にならないらしい。

先生は、日本のがん治療の問題点は4つだとおっしゃる。
①手術偏重、②放射線治療の軽視、③化学治療の専門家不足、④緩和ケアの遅れ
この本を読むと、なぜ上記の4つが問題なんだかよくわかる。

著者の先生は、東大医学部の先生。放射線科で、緩和ケアのオーソリティ。その先生が、ガンで死ぬことを「練習」するための本を書いた。先生のこの本を書いた動機は、「ガンも悪くない。」と思えるようになってくれることだと言う。オイラは、少しガンも悪くないと思えるようになってきた。

でも、そのためには、やはり、痛みからの開放が必要だと思うな。医療用モルヒネの許容使用量は、日本の場合、アメリカの1/20だって。もう少しなんとかして欲しいもんだ。

おすすめ度は5点中、4.5点。ガンの進行をシミュレーションできるよ。おすすめ。

スピーチの奥義 (光文社新書) [新書] 寺澤芳男 (著) を読んでみた

著者さんは、野村證券出身でアメリカ滞在が長かったひと。その後、国際機関MIGAの初代長官としてアメリカで長期間生活した人であり、日本の参議院議員、細川内閣での経済企画庁長官の経験もある人だ。いわゆる国際人ですな。
スピーチのコツを書くと言うよりもスピーチをネタにしたエッセーです。

やはり相手が何を聞きたいのか、想定しなければ良いスピーチはできないそうです。ジョークも一朝一夕にな語れるようにはならないようですね。

おすすめ度は5点中、3点。最後の恋物語はちょいと余計ですね。

2011年7月21日木曜日

1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525) [新書] 岩田健太郎 (著) を読んでみた

要は、今、一番やりたいことをやるんだって。
周りの目を気にしてはいけないんだって。
真のマルチタスクは、AもBもCもDも自由にいつでも行える状態なんだって。
パソコンのツールは色々と試してみる時代になってきたんだって。
「将来こうあるべき自分」を規定することは、同時に「今ある自分」が「あるべき自分」から、乖離した、劣った(inferior)存在であることを内意してしまうから、5年後、10年後のキャリアパスを考えない方がいいんだって。
陰口は絶対に叩かないほうが良いんだって。他人を批判するなら、実名で、本人の前でやるべきで、しかも生産性がある場合にのみやるべきなんだって。

そうやって、削りとった時間を活かすには、他人に規定されない生き方をすればいいんだって。

そして、著者は最後の章でこう言い放つのさ。そのまま、書くね。

挫折の時間も、停滞の時間も、他者のまなざしに規定されず、自らの意志でそれを甘受する覚悟を決めれば、それは無駄な時間ではありません。「私こそが私の魂の指揮官」である限りは。そして、他者は、そのような「私の魂の指揮官」である、停滞しているように見える他者を、罵ったりわらったり権利を持たないのです。

つまりこの本は、時間の削り方、時間の慈しみ方、時間の支配下でなぜ僕らは生きているのかということが書いてある本なのだ。

著者の岩田健太郎さんは、お医者さん。かなり忙しい人だ。まだ若い。
それなのに、こんなに良い本を書くのですねぇ。

おすすめ度は5点中、4.9点。少し尻つぼみだけど、良い本だったなぁ。
新書にして、この読後感。著者さんの人柄がオイラの心に染み入った。
おすすめです。

2011年7月19日火曜日

危険不可視社会 [単行本] 畑村 洋太郎 (著) を読んでみた。

この著者さんは、失敗学の先生。オイラの上司が「イマ読んでます」みたいな事言ってたから、とりあえず読んでみた。

危険地図をまず作ることから始めたらしい。イマまでは、「このルートを通れば安心です。」ということが地図に書かれていたのだが、危険地図には、まずどこに危険があるかわかるので、あとは危険を避けるルートを自分で考えるようになるということ。

おすすめ度は5点中、3点。キャッチーではありませんでした。

明日の日本をつくる復興提言10 (アスキー新書) [新書] アスキー書籍編集部 (編集) を読んでみた。

大震災はオイラの生活自体にも大変な影響を与えた。大震災を語った新書って、実はまだあまり出ていない。まあ、大震災の結論めいたものが出ていない段階だからかもしれない。

この本は、その点、大震災後に著名人たちが何を思ったのかオムニバス形式で書いている。

合言葉は「復旧ではなく復興。」

オイラの敬愛する野口悠紀雄先生は、産業構造の中心を製造業から高度なサービス産業へ移せとおっしゃる。さらに専門家がいなければ外国人を雇えと言う。パナソニックって、外国人採用率8割だって。それと興味ふかい数字もあった。帝国大学の農学部比率がやたらと高いんだって。東京大学大学院農学部卒業生比率8.5%、京都大学大学院は10.0%、北大院10.2%、東北大院10.6%、などなど。
しらなかったなぁ。卒業生レイアウトも時代遅れなんだねぇ。もっとITやら、サービスだよねぇ。

グーグルの話も面白かった。やるね、グーグル。さすがだぜ、グーグル。
例えば、パーソンファインダーの告知や、クライシスレスポンスの避難所情報。それに、Picasaの写真による安否情報管理などなど。

地震発生後、1時間ですでに動いていたらしい。対応の迅速さはさすが。思考の柔軟さには改めて脱帽でした。

おすすめ度は5点中、3.9点。少し分かってきたかな。大震災後のオイラの行く末とか。

男も更年期で老化する (小学館101新書) [新書] 和田 秀樹 (著) を読んでみた

ご存知和田秀樹センセーの本です。「老化する」シリーズの第3弾ですかね。
この人の本はかなり読んでるんですが、最近は、中学受験関係から、老化関係にシフトしています。この本も面白そうなので、手に取りました。

曰く、感情の老化も、動脈硬化も、うつも、すべての老化現象は「男性更年期」から始まる
最初の老化本は、人は感情から老化するというもの。2冊目は、がまんするから老化する、というものでした。

 男も女も、人間が最も老化する時期が、更年期。放っておくと40代以降の男性の人生の質を大きく損なうという。


こういう症状がでたら、あぶない。①運動していないのに、朝起きたら筋肉痛がある ②「昔より頑固になった」と言われる ③フェイスブックやスマートフォンなどの新しいメディアに興味がない ④走ると胸が揺れる


色々わかったけど、ホルモンの関係で更年期の男は、おっぱいが大きくなるんだって。

やばい、オイラは乳首も大きくなっている!!??

おすすめ度は5点中、4点。更年期かぁ。男の場合は、やっぱり性欲の減退が如実なんでしょうなぁ。

2011年7月14日木曜日

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 (小学館101新書) [新書] 勝間 和代 (著) を読んでみた

ご存知、勝間和代さんの本です。タイトルに惹かれて思わず手に取りました。この本は、「ストリートスマート」になりましょうっていう本です。ストリートスマートの意味が最初にurban dictionary訳で出てきます。

A person who has alot of common sense and knows what's going on in the world. This person knows what every type of person has to deal with daily and understands all groups of people and how to act around them. This person also knows all the current shit going on in the streets and the ghetto and everywhere else and knows how to make his own right decisions, knows how to deal with different situations and has his own independant state of mind. A street smart person isn't stubborn and actually listens to shit and understands shit.

つまり、この本は、「頭がいい」といわれている人たちの秘密をまとめた本なのだ。

そして頭がいい人の定義として学歴が高い「アカデミック・スマート」と対比する形で「ストリート・スマート」を提唱しているってことだ。

「ストリート・スマート」は、曰く、人情の機微や人の動きをよく分かっていて、どういう状況でも正しい判断がよくできて、かつ、自立心が旺盛である、独りよがりではない、というイメージだそうだ。

ちょっと難しいけど。

曰く、状況理解・判断能力がある
曰く、人の気持ちの機微がよく分かる
曰く、自立心が旺盛だが、独断的ではない

目次的には、
・頭のいい人の7の習慣
・頭がいい人の7つのスキル
・新しい考え方をもたらす7つの視点
・頭をよくする7つの方法

アルペングループのエピソードや、塾を展開した会社のエピソードは面白かった。孫正義さんもストリートスマートの典型だって。オイラの印象に残ったのは、「世の中に易行はない。」って言葉。そうだよねぇ。この言葉を逆にとって、現在の苦行を楽しもうかなぁ。

おすすめ度は5点中、4.5点。読みやすいし、為になったかも。

テンプレ商売だって。面白い単語もたくさん出てきますよ。

2011年7月7日木曜日

グーグル 10の黄金律 (PHP新書) [新書] 桑原 晃弥 (著) を読んでみた。

世界最大の無料検索エンジンを筆頭に、「グーグルアース」「Gメール」など、革新的なサービスを生み出し続けるグーグル社。

グーグルはとにかく使っています。

もう、地図も便利だし、どの路線乗ったらよいかなどのトランジットも便利だし、グーグルストリートで事前に町並み見てから訪問すると、ほとんど迷子にならない。すごいよね。

2000年頃からかなぁ。みんながyahooだなんだと言っている頃から使っています。その会社の黄金律ということで、思わず手に取りました。
数多くの天才が集まる「エンジニアの楽園」としても名高いんだよね。そんな会社、あまりないでしょ。

この本は、共同創業者のラリー・ペイジやサーゲイ・ブリンらグーグル社幹部などの言葉をもとに、優秀な人材を自社に集め、その能力を最大限に発揮させる独自のメソッド“10の黄金律”を解説している。なかなかおもしろかったです。
両ページ開きで、1エピソード。読みやすかったです。しかし、Googleって会社は戦線的ですねぇ。オイラもこういう先進性を持ったチームにしていきたいなぁ。

おすすめ度は5点中、4点。

備忘のために目次を貼っておきます。

前文 グーグルの「本当の強み」とは-「速さ」「破壊」「破格」の仕事術
黄金律1 採用は全委員で-「ハーバードより難しい」採用に受かる法
黄金律2 あらゆる必要を満たせ-グーグルでは「衣食足りて」革命が起きる
黄金律3 一カ所に詰め込め-秩序がありすぎると面白いことは起きにくい
黄金律4 調整が容易な環境を-「運に恵まれるネットワーク」のノウハウ
黄金律5 自社製品を使わせろ-いつもとは違う筋道をたどって答えを出す
黄金律6 創造性を奨励せよ-アイデアの質を決定する「二〇%」の使い方
黄金律7 合意の形成に努めろ-成功者の「パターン」は隔離して考える
黄金律8 邪悪になるな-優先順位のトップから「収益」を外そう
黄金律9 データが判断をもたらす-「いつも意見が一致する人たち」に要注意
黄金律10 効果的なコミュニケーションを-頭の「成長限界」をやすやすと超える

学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール (光文社新書) [新書] 木暮太一 (著)を読んでみた。

わかりやすい説明って、難しい。メールでも、話し言葉でも。
「学校では教えてくれない」っていう光文社独特のいつものうますぎる題名に惹かれて、
手に取ってみました。

読みやすいですねぇ。わかりやすいです。
あまり目新しいことはありませんけど、比較的納得できることが書いてあります。

曰く、わかりやすく説明できるようになるには練習・訓練が必要。才能ではない。
曰く、テーマや話相手の対象をはっきりさせる。
曰く、わかりやすくするという意識が大事
曰く、表現は単純ですっきりしたものが良い
曰く、短い文章で書くと伝わる。長い文章は誤解を招きやすい。
曰く、無生物を主語にしない

など。

最後の方には、たとえば、「日本銀行」とか、「為替」とか、「株」とかを
一般の人向け、高校生向け、小学生向けに説明した文章が出てくる。

それを比較すると、対象をはっきりさせ、対象に応じた説明を使い分けるのが大事だということがよくわかりました。

おすすめ度は5点中、4点。おすすめです。