2011年4月30日土曜日

電子出版の未来図 (PHP新書) [新書] 立入 勝義 (著) 、を読んでみた

「電子出版元年」と呼ばれた二〇一〇年。オイラも実際に電子書籍を読んでいる。
たしかに便利だし、読みやすいし、早く読めるし、いいところだらけ。
だけど、司馬遼太郎全集なんてまだまだ無いでしょ?
夏目漱石とか著作権の切れている文豪の小説は青空文庫で読めるけど。

日本の場合、まだまだなんですよ。

果たして電子出版は儲かるのか、ってよく言われるけど、かなり儲かると思う。だけど、ハードとソフトが一緒に発展していかないとダメでしょうね。日本の場合は特に。だって、日本語でしょ?
英語の世界はもう電子書籍だもんね。

曰く、電子書籍の場合、SNSやブログは重要な広告宣伝媒体。
曰く、ツイッターはそんなに重要でない。(たしかにそうかも)
曰く、郵便とe-mailくらい違う。なるほど。わかりやすい。
曰く、村上龍の歌うクジラは、未来を見据えている。そうだよねぇ。さすが、カンブリア宮殿さん。
曰く、やはりコンテンツが王様。日本は漫画などがキラーコンテンツ。
曰く、海外に打って出ろ!日本!そうだよねぇ!!

著者さんは日本人だけど、米国での電子出版会社を立ち上げた起業家。日本人の視点でありながら、海外から見た日本の状況などが書かれている。
日本における電子出版が鎖国状態に陥ることを懸念されておられる。その辺、すごくよくわかる。
文章は平易。例えが良い。非常に読みやすいです。

おすすめ度は5点中、4.5点。もう一度ゆっくり読もうかな。


立入 勝義

1974年、大阪市生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒。2004年、日系企業の子会社代表として再渡米し独立。主に日系企業の北米進出を支援するコンサルティング業務を手がけ、2006年、さくらインターネットの米国法人を設立し代表に就任。オンラインゲームや映像字幕の翻訳事業、北米のIT事情についてのマーケティングリサーチなどを手がける。2009年1月に「意力(いちから)ブログ」を開設し電子出版とソーシャルメディアに関する最新情報などを積極的に発信(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

50歳からの楽しい楽しい「ひとり時間」―人生、「嬉しいこと」が益々ふえる生き方のヒント (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ) [文庫] 三津田 富左子 (著) 、を読んでみた

この本は前田の物理でおなじみの前田先生のお姉さんが書いた本。
ひとりの時間が大好きなんだって。

けど、娘さんとの小旅行も大好き。つまり孤独じゃないらしい。じゃあ、わかるなぁ。こういう人の人生。
悲惨な感じじゃないんだよね。
孤独でもない。
なんかおしゃれな生き方をしているんで、人に好かれる人ってことだ。

ちょいと自慢話にもきこえるその語り口は、人生80年以上生きている大先輩だから許せます。

サーーーと読めます。

おすすめ度は5点中、3.8点。そこまでオイラはわがまま、気ままは、無理だよん。

お金の流れが変わった! (PHP新書) [新書] 大前 研一 (著) 、を読んでみた

さすが大前研一。面白いです。

ホームレス・マネーの事とか、よくわかりました。

アメリカだ、中国だと右往左往しているあいだに、世界経済のルールは一変していたのを気づいているか!!!!と著者は言う。
世界をさまよう4000兆円の「ホームレス・マネー」がいま、大挙して新興国へと向かって、反映させようとしているらしい。VITAMINって知らなかった。
それなのに、ああ、それなのに、俺たち日本人は、何をしているのかと、警告を鳴らす大前氏。
日本がふたたび大発展するための戦略を語っているのだ。しかし、大震災後の行動も変わるので、早く次回作を書いて欲しい。

おすすめ度は5点中、4点。ちょいとラジカルなので。このへんの点数です。

通勤途中の風景⑧「コロコロわんちゃんとコロコロおじさん」

朝、駅までの自転車ルートでいつも会うワンちゃんと飼い主さん。
ワンちゃんはコルギー系の短足ワンちゃん。コロコロしている。
飼い主さんもどこかコロコロしている。おじさんはいつも通勤かばんを持っている。通勤途中の格好しているのに、ワンちゃんを散歩させている。いまだに散歩の終点は不明である。

そのコロコロワンちゃんとコロコロおじさんの仲の良いことといったら!

おじさんのワンちゃんに対する愛情がひしひしと伝わっているんだよねぇ。オイラは朝の一瞬だけしか見ないけど、ふたりはいつも見つめ合っている。もしかしたら前世は仲の良い夫婦だったかもしれない。

また、犬を飼いたくなったなぁ。

通勤途中の風景⑦「新橋オヤジの引退と2代目新橋オヤジ」

通勤途中の風景①で話した、新橋おやじ。
その後、俺達は絶妙のコンビネーションで朝の席取りを楽しんでいたわけだが、ある日、ぷっつりと現れなくなった。
体でも悪くしたんだろうかと心配していたが、ある時、平服で渋谷に降り立った元気そうな彼を見た。そのとき、オイラは悟った。

新橋オヤジ、引退したんだ。。。。

そう、新橋オヤジは60歳前後。多分、会社をご卒業になられたんだと勝手に想像した。オイラは平服姿で歩く新橋オヤジに軽く「がんばれよオヤジ、そしてありがとうな。」と心のなかで、その通勤人生の先輩に最敬礼を送った。

オイラは、新橋オヤジの座っていた席に座ることにした。そして、わかった。「そうか!この席って、朝の相模川からの海がよく見えるんだ!」
相模川を渡るとき、新橋オヤジの席から朝日に光る相模灘が見えるのだ。新橋オヤジは多分これも知っていたのだ。オイラは新橋オヤジがまた好きになった。


新橋オヤジがいなくなって、数週間、また、いつものようにオイラは始発電車のドアの前に並んでいた。ドアが開いて、若干、優雅な動きになったオイラは、新橋オヤジから引き継いだ伝統の席に座る。

そして気づいた。

オイラの後方で、席取り新参者がバタバタと争っているのを。そして更に気づいた。オイラの動きに合わせて、賢く席を確保するやつもいることを。

そうである。オイラが「2代目新橋オヤジ」になっていたのである!知らず知らずのうちにである。多分、オイラは後方の若者の間では「〇〇オヤジ」とか呼ばれているのかもしれなかった。

オイラはスコーしプラウドな気持ちになったよ。

2011年4月28日木曜日

通勤途中の風景⑥「アシナガおねえさん1号、2号」

これは会社の最寄り駅でみるおねえさん達のこと。ほぼ、毎日、午前9時前後に最寄り駅に向かっている。オイラは最寄り駅から会社に向かっているから、つまり、すれ違うのである。

1号は、4年前から、よく見る。髪をポニーテールにして細ーーーいジーパン、ハイヒールでカツカツっとスタバのそばを歩いている。足が長い。

2号は、ここ最近。2年くらい前か。背が高くて、日本美人。駿馬のイメージがある。この美人さんも足が長い。

ふたりとも全く関連がないと思っていたら、ふたりが同時に同じ施設から出てくるのに遭遇してしまった。

保育所である。若いお母さんだったのだ。

ある日、アシナガおねえさん2号のほうが、2歳くらいの乳児を抱っこして、歩いていた。お母さんにしては、あまりにスタイルが良すぎるので、オイラは「カッコイーーーー!」って、心のなかで快哉をあげたよ。

通勤途中の風景⑤「ハイカラおしゃれ熟女おねえさま」

湘南ライナー〇〇号、当日券に2011年正月くらいまで、かならず乗っていた熟女さま。オイラは「ハイカラおしゃれ熟女おねえさま」と呼んでいた。

なぜなら、ハイカラでおしゃれなおねえさまだから。

メガネがとても似合っていて、たまに、サンドウィッチなどをお召になっている。だけど、いつもキチンとおしゃれな格好をなさっていて、毎日、高級そうな服を着ている。オイラなどはいつも同じ背広をローテーションしているだけだから、お姉さまみたいなきちんとしている方は尊敬してしまうのだ。

でも最近、見なくなった。オイラと同じく、転勤してしまったのかなぁ。

通勤途中の風景④「缶コーヒーブラック姉ちゃん」

湘南ライナーに乗る場合、〇〇号の当日券と決まっている。その先頭にいるひとりが「缶コーヒーブラック姉ちゃん」だ。ちょっと小柄で気の強そうな顔をしているのだが、そのお姉さんはいつも缶コーヒーを飲んでいる。座る席は北側の後ろから2番目。

でもひとつ気になることがあるのだよ。

それは、飲んだアトの空き缶を、窓枠に置きざりにして降車するのよ。品川で。

姉ちゃん、それはよくないお。

2011年4月27日水曜日

通勤途中の風景③「辻堂センスオヤジ」

「今日は、朝から疲れているなぁ。」とか、「うえっ、気持ち悪い、昨晩はちょっと飲み過ぎちゃったなぁ。」なんていう日は、たいがい湘南ライナーに乗ることにしているが、待ち時間さえも辛いようなときには、950円払って、グリーン車に乗ってしまう。
そんな風だから、グリーン車に乗っているときにはあまり好調ではない日が多い。
横浜以降、車内は暑くなるので、2階建ての下の階、進行方向左側に乗って、太陽がアタらない席に座る。「あーー、キモチワルーー」なんて思っている間に、茅ヶ崎がきて、だいぶ席が埋まる。そして辻堂に来ると。。。。。

きたーーーーー!!「辻堂センスオヤジ」だーーーーー。

茅ケ崎でオイラの横の席が埋まっているなら、彼が来ても怖くない。
辻堂センスオヤジはとなりに座ると恐怖なのだ。

なぜか。辻堂センスオヤジとは何者なのだろうか。

センスは、扇子の意味。
とにかく、辻堂からグリーン車に乗ってきて、上着を脱いだまま扇子をパタパタパタパタパタパタと仰ぎ続けるのだ。多分、健康のために駅まで歩いて来るのだろう。多分、20分以上。それも早足で。
だから彼のボディはホットになっているのさ!だから、扇子でクーリングするのさ!

ただのクーリングだったら良いのです。となりに座った場合、調子の悪いオイラの顔に、パタパタと風が来るんですよ。これがうっとおしいこと、この上なし。

しかも。臭い!!

加齢臭である。

何度もいうが、グリーン車に乗る日のオイラは、匂いに敏感なオイラなのだ。辻堂扇子オヤジはオイラよりアトに乗ってくる。辻堂扇子オヤジを回避する手段はナキに等しいのだ。

通勤途中の風景②「横浜ゲーマー野郎」

2007年当時、始発電車をやめ、普通の東京行きに乗るようになった。そこで登場したのが若いIT会社に勤めているような感じの兄ちゃん。というより若者。彼はいつもオイラと乗る場所がバッティングするので、席も自ずと争うことになる。
いつもPSPを持ちながら列の先頭に並ぶ。そして、乗り込んだあとは、太陽が当たらない席に座って、ずーーーっとゲームをして、んで、横浜で降りていく。
オイラはその兄ちゃんのことを「横浜ゲーマー野郎」と呼ぶことにした。

列の先頭に立つといったが、彼の特徴は、その立ち位置が、右なのか、左なのか、わからない位置なのだ。最後になってわかったのは、彼は、ドアが開く位置に立っていたいということだ。つまり両側に開いて行く、その分かれ目の位置に立っていたいのだ。なぜなら、いち早く車内に入ることができるから。
東海道線の待ち行列は、普通、2列の整列乗車になっている。彼が真ん中に立っているので、彼の次に並ぶ人が、右側に並ぶか、左側に並ぶかで列のでき方がマチマチになる。しかし、彼はそんなことにはお構いなし。次の人が、彼の右側に並んでも、左側に並んでも、かれは一番先に車内に乗り込む。その曖昧な位置は彼の故意によるものなのだ。

ある日のこと、横浜ゲーマー野郎の声を聞くことができた。仕事の関係でトラブルがあったらしく、朝っぱらから、ホームでワーーワーー電話しているのだ。
「あ、はいはいはい。はーーい、そうです。うん、うん、うん、そうです。それでお願いしまーース。え?いやいやいやいや、違います。そのサーバーじゃなくてぇ、、」
とかやっている。相変わらず、列の先頭で、右なのか、左なのか、曖昧な位置で。

そのうち、電車が来て、乗り込むのかなぁ、と思っていたら、やっぱり、トラブルはまだ続いているようで、横浜ゲーマー野郎は電車に乗り込むことはできなかった。
そして、電車が止まり、ドアが開いたのだが、横浜ゲーマー野郎は電話に夢中。立ち位置がドアの真ん中だったので、降りてくる怖ーーい兄ちゃんに「どけ、おらぁぁぁぁ。」みたいなこと言われて、どーーーーんって突き飛ばされてました。かわいそうな横浜ゲーマー野郎のハナシでした。
ちゃんちゃん。

2011年4月26日火曜日

通勤途中の風景①  「新橋オヤジ」

2004年当時、平塚始発で新橋に通っていた。始発電車は、扉が開く時間が秒単位できまっており、いつものメンバーが、いつもの号車、いつものドアの前に立つのが日課。いつしか、無言ではあるが、我々には一体感が生まれていた。
そのなかにリーダー格の初老のオヤジがいた。扉の開く時間の15分前から立っているので、いつも列の先頭。その人は、いつも×号車の決まった席に座る。そして、新橋で降りていく。オレはその親父のことを「新橋オヤジ」と名付けていた。

ドアが開いてから席に座るまでの新橋おやじの動きには無駄がない。緩慢にして優雅なのである。扉が開く10秒前まではユラーリと「無」の状態で待っている。しかし、3秒前くらいで背筋にビビッと緊張感を持たせ、ドアの開いた瞬間には、あの席へとススーーーーっと移動する。

あたかも能舞台を動く演者のように。

表情は、アルカイックスマイル。より良いポジションを確保しようとする殺気立った他の乗客の動きをそれとなく制し、自分は、あの席を確保する。そしてゆったりと本を読む。いつしかオレはあの動きに敬意さえ表し始めた。


ある日のこと。いつもように新橋おやじ(★)の後ろに立ったオレ(◎)は、いつものように新橋おやじの対面に座ろうとしていた。

●いつものパターン(ドア開く前)

|---------------
|
| 電車
|
|---------------
★ ◯
◎ ◯
◯ ◯
◯ ◯


●いつものパターン(ドア開いたあと)

|---------------
|★◯◯   ◯◯
| 電車
|◎◯◯   ◯◯
|------      -----



しかし、その日は、オレの右ナナメ前の兄ちゃん(◆)がなぜか殺気立っていた。


●その日(ドア開く前)
|---------------
|
| 電車
|
|---------------
★ ◆
◎ ◯
◯ ◯
◯ ◯

そしてドアが開いた瞬間、兄ちゃん(◆)は、大胆にも、左側に立っているオイラ(◎)をドーーンと押し、オイラのいつもの席に座ったのだ!

●その日(ドア開いたあと)

|---------------
|★◯◯   ◯◯
|  ◎”
|◆◯◯   ◯◯
|------      -----

オイラはまさに座る席を失い、路頭に迷った。
そのときの新橋おやじ(★)の悲哀に満ちた表情をオイラは忘れない。オイラは悔しくて悔しくて兄ちゃんの顔を長期記憶のホルダーにキチンと保存した。


そして、ある日。
あの兄ちゃん(◆)が立っていた。オイラ(◎)は息を長ーーく吐いた。落ち着くためである。

●リベンジの日(ドア開く前)
|---------------
|
| 電車
|
|---------------
★ ◆
◎ ◯
◯ ◯
◯ ◯

ドアが開く10秒前、新橋オヤジ(★)は相変わらずゆらーーーりと立っている。眠狂四郎の円月殺法のような間合いで、それとはなしに、他を圧倒している。
ドアが開く3秒前、新橋おやじの背筋にビビッと気合いがはいる。と同時に、その背中にピタっと貼りつくように間合いを詰めるオイラ。

そして!ドアが開く!

新橋おやじ★の滑らかな動きに追随するオイラ◎。
滑るように、音もなく、それとなく兄ちゃん◆の気合いをそぐように。
オイラ◎の気配に新橋オヤジ★も共鳴する。ふたり(★◎)の一連の動きに迷いはない。

いよーーーーーーー、よーーーーーーーー、ほーーーーーー、ほーーーーーーーー。

平塚駅3番線。早朝。東海道線は能舞台となった。中腰で動く二人のサラリーマン。

さーーーーーっと新橋オヤジはいつもの席へ、すすーーーっとオイラも新橋おやじの対面へ。
兄ちゃんは二人の連結した動きにはじかれる!

いよーーーーーーー、よーーーーーーーー、ほーーーーーー、ほーーーーーーーー。

新橋オヤジとオイラは、能舞台の兄弟冠者のように、お互いを見つめながら席に座った。
い、よーーーーーーーーーーーーーーーー。ぽん(ツヅラの音)。

●リベンジの日(ドア開いたあと)
|---------------
|★◯◯   ◯◯
| ◆=!”
|◎◯◯   ◯◯
|------      -----


慌てふためく兄ちゃん。
しかし、もうすでに遅かりし。全ての席は埋まっていた。。。。

新橋おやじ★は満足気に本を読み始めた。その時の俯き加減の笑顔をオイラは忘れない。
朝日が眩しい冬の出来事であった。

2011年4月25日月曜日

お江 - 浅井三姉妹の戦国時代 (平凡社新書) [新書] 武光 誠 (著) 、を読んでみた

お江関連の復習。第3弾。またまた新書です。

これ、おすすめですねぇ。

まず、文章が明解!分かりやすい文章です。

そして、地図が豊富。
オイラは地図がないとどうも不満なんですけど、この本はたくさん載せてくれている。これこれ、これですよ。勢力図が分かりやすいんです。

そして、家系図。
たくさんの兄弟が出てくる場合に、これが必要。この本は欲しい時に欲しい家系図を挿入してくれています。

そして、(→〇〇ページ)とか、関係する既出箇所を丁寧にリンクしてくれている!
これは便利。

お市の方を母とする三人の娘、茶々(淀殿)・お初・お江は、いずれも戦国時代という時空に振り回されるが、彼女たちの知性は逆に戦国時代を動かしていたのかもしれない。そういう立場で書いている。

とても読みやすいですよ。

おすすめ度は5点中、4.9点。歴史関係の新書では、最高点に近いかな。

2011年4月24日日曜日

女たちの戦国―江と同時代を生きた11人 (幻冬舎新書) [新書] 鈴木 由紀子 (著) 、を読んでみた

江姫の復習、第2弾。
今度は鈴木由紀子さんって、作家の方の本。

やっぱり大河ドラマの関係で、浅井さん姉妹は気になるのである。父母の敵である秀吉の世嗣を産んだ茶々、姉と運命的な対立関係になってしまう江、茶々と秀頼の命を救いたいと講和交渉に奔走する初。
なかなかドラマ性が高いですよね。戦国時代って。そこに生きる女たちも。

浅井三姉妹のほか、採り上げるのは、築山殿、細川ガラシャ、伊達正宗の母・妻・娘、おねとまつ、山内一豊の妻千代。

ちょっと図が足りないかなぁ。篤姫の本のときは系図がとても説得的だったのに、系図がないのが惜しいね。

おすすめ度は5点中、3.4点。読みやすいですよ。

女たちの戦国 (アスキー新書) [新書] 楠戸義昭 著 (著) を読んでみた

江姫関連の新書を立て続けに読んでみた。まずは、歴史作家さんの本。

戦国時代に生きた女性の話をカルーーいタッチで書いてくれている。
のぼうの城のヒロイン・甲斐姫、
家康が最も信頼した阿茶局とお梶、
瀬戸内海のジャンヌ・ダルクと呼ばれた大三島の鶴姫などなど

江姫たち、3姉妹もあります。

とにかく、歴史事典みたいで、ま、新書としては助かるって感じ。

おすすめ度は5点中、3点。

2011年4月20日水曜日

日本人が知らないウィキリークス (新書y) [新書] 小林 恭子 (著), 白井 聡 (著), 塚越 健司 (著), 津田 大介 (著), 八田 真行 (著), 浜野 喬士 (著), 孫崎 享 (著) 、を読んでみた。

2010/11/28の米国外交公電25万件公開したのが、「ウィキリークス」。
それを7人の著者たちがオムニバス形式で紹介。

目次
第1章:ウィキリークスとは何か<塚越健司>
第2章:ウィキリークス時代のジャーナリズム<小林恭子>
第3章:「ウィキリークス以後」のメディアの10年に向けて<津田大介>
第4章:ウィキリークスを支えた技術と思想<八田真行>
第5章:米公電暴露の衝撃と外交<孫崎亨>
第6章:「正義はなされよ、世界は滅びよ」<浜野喬士>
第7章:主権の溶解の時代へ<白井聡>


1章と5章がいいかも。あとはなんだか難しかった。


おすすめ度は5点中、3点。

Google 英文ライティング: 英語がどんどん書けるようになる本 [単行本(ソフトカバー)] 遠田和子 (著) 、を読んでみた

またまた英文ライティングの本。話題の本なので手にとってみました。
ワイルドカードとフレーズ検索の使い方のみで、他に新しい記載はありませーん!
一応おさらい。
①フレーズ検索「”〇〇”」
②ワイルドカード検索「 * 」

何しろ読みやすい。オイラはそんなに英語を多用するほうじゃないけど、メールや英文論文は年1回位は書く。そんな程度の人にはおすすめ。


意外に読み進めていくと、役立つTIPS満載ですよ。


・英単語を画像検索すると、イメージが分かるとか。(hit the Bull's eye とか)
・「和英 〇〇」とかで検索するとか。

それと、途中にでてくる「exercises」が良いですよ。

おすすめ度は5点中、4.3点。まあまあおすすめです。

2011年4月16日土曜日

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書) [新書]中田亨 (著) 、を読んでみた

非常にまとまって、読みやすい新書でした。

ミスは原因を調査追究しても、明確な答えはないと著者は言う。後半の実践編では、「どのようにミスを減らすか」が、多方面から論じられていて面白いです。実際に起きてしまった事件の具体例もおおいので、分かりやすいです。
例えば、書類レイアウト。流れに沿って書きこむことができるものがミスを未然に防ぐことができたり、ミスがあっても次工程に行かないといことがわかります。この資料だけでも非常に為になりました。
章立てやGood design!とか、Bad design! とか具体例も秀逸。

おすすめ度は5点中、4.9点。繰り返し読むべき本と思われました。オイラの好きなタイプの新書だす。

以下はアマゾンからのコピーです。備忘のために貼らしてもらいます~。

◎ 概 要
「クリック一つで大損失」の時代!
「事務処理能力がないもので」......と、自分を甘やかして
いませんか?
文系の会社のミスは、今や日本の大問題。
その原因と対策、ミスを減らす体制作りの方法。
◎ 内 容
現代は「うっかり」が通用しない社会である。
コンピューターと通信技術の進歩が諸刃の剣となり、
間違える時もボタン一つで一瞬のうちに大損害を出せるように
なってしまった。
事務作業者には、今までと比較にならないほど、
高い信頼性が厳しく求められている。
そもそも工業系の会社は、事故防止の努力を長年続けており、
知識と経験を積んでいるのだが、
それに比べれば文系の会社の方はミスへの免疫が弱い傾向にある。
本書では、新しい視点から「事務ミス」を分析しなおし、
ミスや事故が絶えない会社を「ミスに強い組織」に変える具体策を提示する。
人はなぜミスをし続けるのか、ミスを防ぐ上で注目すべき力とは何か、
さらに、事務ミスを防ぐポイントとして、
「手順」や「書式レイアウト」「報告」「通達」「マニュアル」等を
どう見直すか、などを、具体例をあげながら紹介する。
◎ 目 次
I 理論篇 なぜ人はミスをし続けるのか?
第1章 人は「有能」だからこそ間違える
第2章 間違えのメカニズム追究はきりがない
第3章 そもそも「間違い」とは何か?
第4章 時代が事務ミスを許さない!
II 実践篇 ミスはこう防ぐ
第5章 ミスの解決は、「6つの面」から考える
第6章 「気付かない」から事故になる......ミスを防ぐ力その1「異常検知力」をつける
第7章 異変のはじまりはどこか?

......ミスを防ぐ力その2「異常源逆探知力」で復旧を容易にする
第8章 「ミスをしないこと」は目標になりえるか

......ミスを防ぐ力その3「作業確実実行力」とのつき合い方
第9章 御社の「手順」はムダだらけ

......ミスを防ぐ作業手順を組み立てる
第10章 氾濫する「ダメ書式レイアウト」

......書式を改良して事務ミスを防ぐ
第11章 「ミスに強い」組織に変える


◎ 著者プロフィール
中田 亨(なかたとおる)
1971年、神奈川県生まれ。東京大学大学院修了。
現在、独立行政法人産業技術総合研究所研究員。博士(工学)。
様々な業種の企業とヒューマンエラー防止の共同研究を進める。
著書には、『防げ 現場のヒューマンエラー』(日科技連出版社)、
『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』(化学同人)、
『理系のための「即効!」卒業論文術』(講談社ブルーバックス)
などがある。

内容(「BOOK」データベースより)


現代は「うっかり」が通用しない社会である。コンピューターと通信技術の進歩が諸刃の剣となり、間違える時もボタン一つで一瞬のうちに大損害を出せるようになってしまった。事務作業者には、今までと比較にならないほど高い信頼性が厳しく求められている。そもそも工業系の会社は、事故防止の努力を長年続けており、知識と経験を積んでいるのだが、それに比べれば文系の会社の方はミスへの免疫が弱い傾向にある。本書では、新しい視点から「事務ミス」を分析しなおし、ミスや事故が絶えない会社を「ミスに強い組織」に変える具体策を提示する。人はなぜミスをし続けるのか、ミスを防ぐ上で注目すべき力とは何か、さらに、事務ミスを防ぐポイントとして、「手順」や「書式レイアウト」「報告」「通達」「マニュアル」等をどう見直すか、などを、具体例をあげながら紹介する。

2011年4月14日木曜日

その英語、ネイティブはハラハラします (青春新書インテリジェンス) [新書] デイビッド・セイン:岡 悦子 (著) 、を読んでみた

I don't really like him. と、 I really don't like him. の違いとか、色々書いてある。

とにかく文例が多いから、肩肘張らずに楽しく英語の知識が増やせるのが良いですね。クイズ形式だから、どこから読んでもすぐに入っていけるのも良いです。

んで、答えとして良くないハラハラする使い方は、「DANGER」って書いてある文。

OKの使い方が良いのです。結構、使ってるますぜ、おいら。DANGER文章。オイラって、外国人をハラハラさせてるんだねぇぇ。見出しやマークが、スッキリ見やすいので、良かったです。

おすすめ度は5点中、4点。軽く読めておすすめです。

でも記憶に定着させるには、繰り返しが必要でしょうなぁ。とほほ。

英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社プラスアルファ新書) 船川 淳志 (著) 、を読んでみた

この本は、英語が、英語を母国語としない人たちがコミュニケーションを行う場合の公用語になっているという点を強調してくれている。つまり、ブロークンイングリッシュこそ、グローバルイングリッシュなんだから、われわれこそ、グローバルイングリッシュのネイティブスピーカーなのだぁぁぁと、看破する。この言葉を聞いて、少し自信が出てきました。
ただし、TOEIC600点程度では英語でビジネスを行うための基礎英語力が十分ではない可能性があるので、そのような人はまずしっかり基本を固めたほうが良いよって言っている。英語が今うまい人で、猛勉しなかった人はいないって。とほほ。

常に論理的に話をすること、説明の手間を惜しまないこと。国民性の違いによるコンテキストとコンテンツの依存度の違いがあるからなんだって。きちんと説明して初めて伝わるんだそうだ。ふーーーん。なるほど。

あと、PREP。つまり、point→reason→example→point。結論→根拠→例→結論を意識するとうまく伝わるらしい。なるほど。

一定の英語力は備えてこれからビジネスの現場で英語を使って仕事をしていかなければならない人、つまり、オイラなんかにとっても有意義な内容でありんした。

ちょっと後半、だれたかな?

おすすめ度は5点中、3.2点。

ウィキリークス (アスキー新書) [新書] 蜷川真夫 (著), 石川幸憲 (著) 、を読んでみた

地震の話題でウィキリークスって忘れ去られているけど、2010/11/28は結構世の中を震撼させたんですよね。大量に入手した外交公電を、マスメディアを通じて公開したんですよ。これ、大きなニュースになり、賛否両論を巻き起こしました。そのあと、急に強姦罪で逮捕されたり、創設者のジュリアン・アサンジ氏は追い込まれますが、見事、復活。

折しも、日本では同じ時期に尖閣諸島での漁船衝突事件の映像がユーチューブに流出したこともあり、国家の機密情報が世の中に安易に公開される現象に、日本中が注目しました。

ジュリアンアサンジって、子供の頃、少し暴力をうけていたようなこともあったようで、不幸な青少年時代だったようですね。その部分は少し同情してしまいました。

入門書としては良いと思いました。でも、おすすめ度は5点中、3点かな。

暴露の一片だけ紹介。カダフィ大佐は高所恐怖症(笑)

2011年4月12日火曜日

今すぐ使える!ロジカルシンキング (PHPビジネス新書) [新書] 堀 公俊 (著) 、を読んでみた

ロジカルシンキング。昔、勉強したなぁ。ということで、思わず手にとった。
良く書けています。特に大手食品メーカー営業企画課に務める入社7年目の中堅社員、志幸くんと祐子先輩のやりとりが楽しいですよ。
構成もいいです。これこそ新書の構成です。

ロジカルシンキングに必要な3つの思考が章毎に書かれています。

さらに合計35の思考術も書いてあります。
2章:「論理構築力」~なぜ、そうなのだろうか?
3章:「批判的思考力」~本当にそれは正しいのだろうか?
4章:「多面的思考力」~他の考えはできないのか?

2章と4章がいいです。特に4章。多面的考え方って本当に必要なときあります。簡単に言うと、切り口をどのようにとるのか、っていうこと。


真っ白なホワイトボードを前に、ああでもない、こうでもないって企画していることってよくあるんですが、その場合のツールについてもまとめてあります。〇〇分析、とか。


おすすめ度は5点中、4.2点。楽しく読めました。

2011年4月9日土曜日

睡眠の科学 (ブルーバックス) [新書] 櫻井 武 (著) 、を読んでみた


ブルーバックスを久しぶりに手にとってみた。少し字が小さいねぇ。
この本は、「睡眠」を第一人者が解明してくれている。眠りってわからないことだらけ。眠る理由さえ、実は定かではないらしい。睡眠は謎に包まれているのだ。


著者は「オレキシン」っていう物質が、睡眠に重要な役割をはたすことを初めて発見したひと。非常に明快な文章です。頭いいんだろうって思う。んで、柳沢正史テキサス大教授の後輩なんだって。柳沢教授とは、山中伸弥京大教授(iPS)と並んでノーベル医学生理学賞に最も近い日本人研究者と言われている。その弟子ってことだね。
眠りには大きく3つって、わかる。1)リズムで眠る。(概日リズム・セロトニン/メラトニン系・体内時計)、2)疲れて眠る。(睡眠負債)、3)腹一杯で眠る。
 この3番目の眠りに大いに関係する脳内ペプチド・オレキシンの発見(1998年)で世界的に有名なのが、ちょしゃ。桜井先生だ。オレキシンの発見は、睡眠学の世界でもドンデンガラリの大発見。オレキシンとナルコレプシーという奇病との関連が面白い。

とにかくこの本のキーワードは、「オレキシン」。オイラ初めて知ったなぁ。
その物質が明かした「覚醒」の意味とはなにか。すごく読み応えありすぎて、酔っ払った帰りの電車では少し重たかった。


最後には、レム睡眠とノンレム睡眠の関係にも触れていて、とにかく内容充実。


おすすめ度は5点中、3.8点。さすがブルーバックス。かなりの強者でした。

2011年4月7日木曜日

功名が辻(一)~(四) (文春文庫) [文庫] 司馬 遼太郎 (著) 、を読んでみた

またまた司馬遼太郎です。再読祭り。今度は功名が辻です。


最下級の侍から関ヶ原が終わったあとに土佐24万石を得た山内一豊とその奥方千代さんが主人公です。どうしても大河ドラマの千代役の仲間由紀恵の顔が浮かんでしまうところが難点でしたが、読んでみるとその面白さを再認識のココロ。やっぱり面白い。


山内一豊は、真面目が売り。才能に恵まれている訳ではないが小物でもない。合戦では勇気を出して戦うかなり豪傑な武士。その律儀さが幸運を呼び、千代と二人三脚で功名を得ていくのだ。


千代の意見を入れつつ、ときには千代に頼りきり、ちょこっとずつ出世していく。
生まれ持った才能で華々しく生きる物語と違って、とっても朴訥な一豊が気に入ってしまいますね。

なにより仲間由紀恵じゃなくて、千代が物語を盛り上げます。彼女の小気味な会話や、小袖を作る芸術のさいを見せてくれるところや、明るくお茶目な女性として描かれているところがいいです。


他の歴史小説は少し固すぎたりしますが、さほど堅い場面や表現がないので、司馬遼太郎を読んでみたい人にはとても入門編としてオススメ。


おすすめ度は5点中、4.8点。
最後の土佐一国をとってからのエピソード(角力虐殺)はちょいと引くから、満点じゃないです。