2011年4月7日木曜日

功名が辻(一)~(四) (文春文庫) [文庫] 司馬 遼太郎 (著) 、を読んでみた

またまた司馬遼太郎です。再読祭り。今度は功名が辻です。


最下級の侍から関ヶ原が終わったあとに土佐24万石を得た山内一豊とその奥方千代さんが主人公です。どうしても大河ドラマの千代役の仲間由紀恵の顔が浮かんでしまうところが難点でしたが、読んでみるとその面白さを再認識のココロ。やっぱり面白い。


山内一豊は、真面目が売り。才能に恵まれている訳ではないが小物でもない。合戦では勇気を出して戦うかなり豪傑な武士。その律儀さが幸運を呼び、千代と二人三脚で功名を得ていくのだ。


千代の意見を入れつつ、ときには千代に頼りきり、ちょこっとずつ出世していく。
生まれ持った才能で華々しく生きる物語と違って、とっても朴訥な一豊が気に入ってしまいますね。

なにより仲間由紀恵じゃなくて、千代が物語を盛り上げます。彼女の小気味な会話や、小袖を作る芸術のさいを見せてくれるところや、明るくお茶目な女性として描かれているところがいいです。


他の歴史小説は少し固すぎたりしますが、さほど堅い場面や表現がないので、司馬遼太郎を読んでみたい人にはとても入門編としてオススメ。


おすすめ度は5点中、4.8点。
最後の土佐一国をとってからのエピソード(角力虐殺)はちょいと引くから、満点じゃないです。

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