大震災のあと、とにかく、福島第一原発の問題で、あわや解体か?とも言われている東京電力。ちょっと古い本だけど、新刊としてリニューアルされて登場していきたので、思わず手にとった。
著者さんは、ご存知、田原総一朗さん。朝までテレビでおなじみだよね。
木川田一隆っていう、伝説的に有名な昔の東電社長は、「原発は悪魔だ」と言って、建設を決断できなかった。
しかし、あるとき豹変した。
その理由は、はっきりとは書かれていない。
だけど、この本では、戦前から戦後まで指導権を巡って、権謀術数を使いまくりで、激闘していた経済産業省と電力会社の物語を、色んなデータを追跡することにより、その謎を解こうとしている。
つまり、経済産業省は夢の電力源とされた原子力にいち早く目をつけ、その導入・開発の主導権を握ることで、電力会社を支配下におこうと計略していたのだ。
東京電力は政府より先に、米国メーカーから原子力発電所の導入を急いで、「はい、もう導入済みでーーす。だから色んなこと、言ってこなくていいよーーーだ。」ということで、官僚の権力をシャットアウトしようとしたのだ。
原子力は悪魔の技術だが、経産省との戦いに勝つためには導入も仕方がなかったということだね。本当かな??
東電は当時GEの技術を信奉しており、軽水炉は完成された技術と信じていた。ところが導入後、故障や事故に襲われ、原発反対運動も激しくなる。それが原因で、通産省に浸け込まれ、その後の9電力体制から10電力体制に至る。この本は、このあたりで、読み終えていいかもしれない。
それにしても、1986年にこんな本を書いていたなんて、田原総一朗って、すごい人だねぇぇ。
おすすめ度は5点中、4.5点。東電に興味がある人は読むといい。
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